■目を疑うピンク色の湖 島北部最大の見どころは「ワシントン・スラグバイ国立公園」=写真下=だ。1万3500キロの規模を誇る同公園は1969年、オランダ領アンティスの島の中で一番初めに国立公園に指定されたという。園内には189種の野鳥が生息し、バードウオッチングには絶好の場所だ。この他、15キロと22キロ、2つのトラッキングコースや5つのダイビングのエントリースポットなどもある。園内でアロエの管理を担当している親子(父親と息子)に、ロバートさんが気安く話しかけている。どうやら顔見知りのようだ。「彼はね、島で有名なミュージシャンなんだよ」と教えてくれた。 車は南部へと向かう。サボテンの山が多い北部に比べて、南部はガラッと雰囲気が変わる。向かう途中、遠くに、白い山の連なりが幾重にも見える。常夏の島に積もる雪?何だか違和感がつのる。 そこは、島の約10%を占める製塩会社「カーギル・ソルト・ボネール」(本社:アメリカ、ミネソタ州)の塩田だった。これら山のふもとには、幻想なる「ピンクの湖」=写真上=が果てしなく広がっていた——。 製塩は、350年以上も続く、この島の重要な産業で、天日に干して、精製している。年間44万トンが生産され、ほとんどが海外輸出用だという。高さ十数メートル以上はある塩の山々は、太陽に反射してキラキラと輝いている。ピンク色の湖面にそびえ立つ真っ白な山々。視点を変えて振り向くと、すぐ横にターコイズブルーの海が見渡せる。なんだか異次元の世界に連れて来られたような錯覚に陥る。ロバートさんが山から塩の塊を取り出して見せてくれた=写真左。よく見ると、結晶の粒がかなり大きい。舐めてみたら、当然のことながら塩辛かった。あまり人影もなく、どこか寂しげな塩田は、鳥たちの絶好の場所でもあるらしい。ミサゴ、サギ、グンカンドリ、鵜などが、エサとなる海老を求めてこの塩田に集まって来る。中でもフラミンゴが群れをなしてやってくるのがバードウォッチャーたちの醍醐味らしく、隠れたスポットとしても有名らしい。(次号に続く) ●BONAIRE - the Netherlands Antillesシリーズ(1)はこちらからどうぞ! 2006年12月15日号(vol.136)掲載 Copyright © 2000-2006 tocotoco, S.Graphics all rights reserved.
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| 2006-12-13 15:16
| ガイドブックにない島
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