先日、友人の結婚式に続けて招待されたので、一瞬帰国してきた。その時感じたことなんかを。
東京駅。日本人女性の皆さん、お肌が真っ白でキレイである。透明感、モチモチ感、湯上がり卵感、申し分無しである。こけしのように精巧なキメである。アメリカでスポーツ用の日焼け止めをぬったくって、皺なんか気にせず大口開けてゲラゲラわらっている己が恥じ臭い。おまけに、こっちは4歳と2歳のガキを両手に引いて、夜逃げのようなスポーツバッグを背中に、新幹線ホームを目指している最中。そんなボロ雑巾の私は、八つ当たり半分にとっさに思った。げ、みんな同じ化粧してるぅ!皆さん「キレイ」さが同じなのである。ソバカス美人がいない。時代遅れのメークを施したレトロ回帰美人がいない。虫カゴ持っていそうな、荒削り少年風美人がいない。みーーーーんな、そこそこファニーフェイス入りのカワイイ系で、肌の質感が同じである。みんな(同じ尺度で)キレイってことは、みんな同じ「作り方」をしているってことである。光沢のある透明白肌。そして頬は、不自然なほどに「桃系」か「橙系」に明るめられている。ああ、なつかしの統一美。あこがれの様式美。祖国ニッポン。 毎度のことだし、はたしてそれが私個人の属性なのか、アメリカナイズなのか判定不可能なのだが、今回の帰国でも、私の行動や状況判断は旧友達にとって、思い切りのよいものと映ったらしい。まず、夜の10時、11時に人と会うような時の待ち合わせ時間までのつぶし方。ジュークハタチの若造が光沢素材のスーツでかしづくような場所へ一人で入り、「ハッピーアワー」を利用する。っていうと、けっこう驚かれるんだが、なんか変か?料金なんか客引きに立ってる兄ちゃんに聞けばいいじゃん。マンガ喫茶なんかつまんないもん。ご飯食べたり、サウナ行ったりするには、時間が中途半端すぎるもん。コンビニやスーパーだって見飽きた頃だし、いきなりぽっかり開いた時間だけ誰か呼び出すのも悪いし・・・だったら、お金を払って「○○時まで予算いくらで相手しろ」ってやったほうが楽だと思うんだが。 結婚式。新郎新婦のキスを、大勢が写メりにいく。私が「あ、間近で見てこよーっと?」言い残して席を立ち、カメラ陣の前にしゃがみ込んだのを見た友人は、私を「気ままな自然体」と表現した。人のキスシーンを生で間近で凝視できる機会なんてあんまり無いじゃん。街中でチューチューやってるカップルはたくさんいても、至近距離で凝視はできないでしょ。でも結婚式は「見て下さい?」の場なんだから「ほんじゃ拝まして?」となるのは当然じゃん。え?違うの?写真撮るのは普通でも、見に近寄るのは突飛なのか? それにしても私を珍しがる割には、ヤツら口をそろえて「昔と全然かわってないから、久しぶりに会ってもありがたみないよね」とぬかす。ということは、私はアメリカに住まなかったとしても「ちとアレ」だったのかもしれない。 (原文まま) *掲載号では校正、編集したものを発行* 2006年7月14日号(vol.126)掲載
by tocotoco_ny
| 2006-07-13 04:33
| オンナの舞台裏
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