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vol.141/表紙「Stephen King」

スティーブン・キングの作品、初のコミック化vol.141/表紙「Stephen King」_f0055491_432413.jpg
■人気ベストセラー作家、スティーブン・キング(Stephen Edwin King=59)の小説「ダーク・タワー(THE DARK TOWER)」シリーズが、このほどコミック化され、この4月から店頭に並ぶようだ。これまでにも、多くのキング作品が映画化、TVドラマ化されているがコミック化は初めての試み。出版元は「スパイダーマン」や「デアデビル」など、数多くの人気コミックを手掛けるマーベル社で、同コミックの劇画家にはアイスナー・アワード(Eisner-award)の受賞者であるアーティスト、ジェー・リー(Jae Lee)が担当する。vol.141/表紙「Stephen King」_f0055491_432163.jpg
■今回のコミック化に関してキングは「ボクは生涯、マーベル漫画の大ファンさ!ボクの小説が全く違う技法で創り出されることに、とにかくスゴク興奮している。劇画家のジェー・リーの仕事も大好きだね。今後彼とはダイナマイト・パートナーシップを組んでいける相手だと率直に思うよ」と話している。
■1974年、長編「キャリー」でデビューしたキングは、メイン州のポートランド生まれ。スコットランドとアイルランド人の祖先を持つ、父ドナルドと、母ネリー・ルース・ピルズベリーの次男として誕生した。幼少期に両親は離婚。兄のデイヴィッドとキングは母に引き取られて育った。彼は10歳の頃から執筆し、SF専門誌に投稿を始めた。メイン大学時代に投稿した小説「鏡の床」が「スタートリング・ミステリー・ストーリーズ」に掲載され、それを機に大学内の新聞「ザ・メイン・キャンパス」にコラムを持つようになった。vol.141/表紙「Stephen King」_f0055491_4332591.jpg74年のデビュー作「キャリー」は映画化され大ヒットを放った。キャリー以降、スタンリー・キューブリック監督が映画化した77年の「シャイニング」など、次々、彼のホラー作品は映画化されたが、興行成績があまり奮わず、ジャンルをホラーから変更した「スタンド・バイ・ミー」がようやく当った。それから約10年、本来、彼が目指していたホラー作品の「ミザリー」(87年)で久しぶりに高い評価を得たものの、その後、ホラーでは当たり外れがあるとされ、どちらかというと人間味溢れる「ショーシャンクの空に」や「グリーンマイル」などの作品に期待を持たれるようになった。今回コミック化となる「ダーク・タワー」シリーズは完成までに22年かかった作品で、7部作の完結編が出版されたのは2004年。33の言語に翻訳されて35以上の国や地域で発行されている。
今、人気の若手ホラー作家の素性が明らかに!
■ニューヨーク・タイムズの書評で「読み手を虜にする機知に富んだ物語」と取り上げられ人気上昇中のホラー小説「ハート・シェープド・ボックス(Heart Shaped Box)」。著者はこれが長編デビュー作となるジョー・ヒル(Joe Hill=34)。彼の目や太い眉は、若し日のキングにそっくりだ。彼はこのデビュー作を機に初めて自らの素性を明かした。「自分の文章で父親の存在を思い起こされたくなかったから、姓を変えた」と話している。vol.141/表紙「Stephen King」_f0055491_434339.jpg
■ベストセラー作家の親の姓を名乗る2世たちは少なくない。キングの妻で作家でもある彼の母、タビサ・キングは息子のよき理解者だったようだ。彼の長編がどこにも売れず頭を抱えていた時期「次の作品を書けということよ」と励まし、陰で支えてくれたという。また父親のキングには各出版社に送るカバーレターのアドバイスを求めた。キングは「大物編集者殿、本物の才能を見たければこれを読め!」と紙に書き、続いて「こうは書かないようにネ」と静かに応援してくれていたと話している。「いずれバレるとは思っていたが特別扱いが嫌いなので、できるだけ長く黙っていようと思った」と語る彼が、文学的に最も影響を受けた人物は「キング」と言う。
インフォメーション
■スティーブン・キングのオフィシャルサイト www.stephenking.com
■マーベル社「ダーク・タワー」の情報 www.marvel.com
■ジョー・ヒルのオフィシャルサイト www.joehillfiction.com

2007年3月30日号(vol.141)掲載
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by tocotoco_ny | 2007-03-29 04:34 | 2007年1〜12月号
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