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vol.53/大人の童話<むかでのすきっぷ>

「100点」
ぼくのうちは、いつもおとうさんとおかあさんがけんかばかりしている。

けんかになると、ぼくはいつもさみしくなって、こわくていえのなかにいたくないとおもう。
べんきょうをしてても、おおきなこえがきこえてなにもかんがえられなくなる。

けんかのあとは、おとうさんとおかあさんはずっとはなしをしない。
ときどきおかあさんはないている。
ぼくはけんかのときはすごくかなしくて、まくらのところにかおをつけてないたりする。

このまえ、がっこうのてすとで80てんとった。
そしたらおとうさんとおかあさんはよくがんばったとほめてくれた。
そのときはけんかはしないし、みんなでごはんをたべててとてもたのしい。

だからきっと100てんとったらもっとよろこんでくれるし、けんかをしないのだとおもう。
さんすうのてすとがあって、ぼくは100てんとろうとおもってがんばった。
そしたら90てんでおしかった。
お父さんにみせたら、もうすこしで100てんだな、がんばれっていわれた。

つぎのとき、こくごのかんじでぜんぶできて100てんだった。
いっしょうけんめいかんがえてやったからぜったい100てんだとおもった。
そしておうちにかえっておとうさんとおかあさんに100てんをみせたら、すごくよろこんでくれた。
ぼくはがんばったし、ぜんぶかんたんにできたのをはなした。

おとうさんはがんばったごほうびになにかかってくれるといった。
ぼくは100てんとったらけんかをしないでといった。
おかあさんははしっていって、といれでおおきなこえでないていた。
ぼくはいけないことをいったのかなとおもったけど、がんばったのだからぜったいおこってないとおもった。

つぎのどようびに、おとうさんとおかあさんはゆうえんちにつれていってくれた。
ぼくはずっとまえにしか3にんでゆうえんちにいってなかったのでうれしかった。

あいすをかってもらって、おかあさんはいやだといったけど、じぇっとこーすたーに3にんでのった。
ぼくはがたがたのぼってるときちょっとこわかったけど、おとうさんとおかあさんがわらっていたのでへいきだった。

ぼくはいつも100てんをとりたいので、べんきょうをがんばりたいとおもう。

「おこずかい(1)」
ぼくはプラモデルの戦車で、パンサーG型がほしい。

普通のやつじゃなくて、リモコンがついてるやつだ。
友達と一緒に戦争ごっこをする時に、パンサーなら誰も持ってないし、第一すごくかっこいい。

ねだんは580円で、ぼくは400円しか持ってないので、おこずかいが少し足りない。
お母さんに買ってと頼んだけど、この前別のやつを買ったばかりなのでだめだと言われた。
じゃあ、自分のおこずかいの400円も出すから買ってとたのんだ。
そしたらお母さんは足りない分アルバイトをして買いなさいと言った。
それからお母さんに、アルバイトは自分ではたらいてお金を貯める事だと教えてもらった。

夜になって、お父さんとお母さんと弟の4人でごはんを食べている時、ぼくはお母さんに聞いた。
「ねえ、アルバータって、どこで出来るの?」
「アルバイトよ。お店で働くとか、お家のお仕事を手伝ったりしてもアルバイトになるわよ」
「どこのお店でアルバイトできるの?」
「あなたはまだ小さいから、外でアルバイトはだめね。じゃあお父さんの肩でも揉んでアルバイトしなさいよ。」
ぼくはいつもより早くご飯を食べて、新聞を読んでるお父さんの肩をたたいてあげた。
「おお、おおお、うまいじゃないか、もう少し右のところ、そう、そう、うーん、なかなか上手いじゃないか。」
お父さんはとても喜んでくれた。
そして、ごほうびに30円くれた。
これでぼくのおこずかいも430円だ。これから毎日アルバイトをしよう。
(次号に続く)
*掲載号では、誤字、脱字は校正し、編集したものを発行*
2007年6月15日号(vol.146)掲載
by tocotoco_ny | 2007-06-14 13:08 | ご無沙汰むかで
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