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vol.126/M/Mパリ<みぞけん/イラスト・ポスティックス>

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 パリという言葉がつくと、どうしてか格式があがったように感じるのは、ボクだけだろうか。これはパリ、おフランスから来たものなのよ、オ・ホ・ホ、どうしてもそんな感じを受けてしまう。これは日本人が勝手に作ったフランスの雰囲気なのか、はたまた他の国でもこのように感じているのか。未だに、日本に帰り友人に会うと、全然パリっぽくないといわれるボクは、何がパリっぽいんだろうと、頭を傾げてしまう。だが、本人もパリっぽくないなと感じているので、具体的にはいえないが、パリっぽいというイメージは、少なくともボクの頭にも描かれているわけだ。フランス国内でも、パリというと違うところというイメージがあるようだ。パリジャンは、地方の人からは、高飛車なようにとらわれているし、実際、都会に見られるような冷たさはあると思う。ボクでも、少しパリを離れただけで感じるので、フランス人は尚更思うのだろう。話はズレてきたが、パリという言葉には、少なくとも高貴さが感じられるのだ。今回紹介するのは、パリで活躍しているグラフィックデザイナーのM/Mの展示会。ミカエルとマティアスの頭文字をとって1992年に結成したデザイナーユニット。ファッション系、シアターポスターを当初手がけていた彼らは、後々にビョークのアルバムデザインや、ミュージップクリップなども手がけ、世界的に有名になったデザイナーだ。得てして、世界的になったデザイナーというのは、やはり特徴がある。彼らの特徴の一つとしてあげられるのは、手書き風の文字をデザインしたものを、使った事だと思う。その字体が、いかにもM/Mらしい文字として定着した。このようなディレクションで、今までにシアターのポスターではなかったスタイルを築いたのはすばらしい。それと、ヨージ・ヤマモトのカタログをディレクションしたのも、彼らの初期の作品としては目を引くだろう。その後の活躍は、パレ・ド・トウキョウのエクスポのポスターや、アーティスト、ピエール・ユイグの展覧会ポスターなど、ヴィジュアルにこだわったポスターの構図はすばらしい。今回、ポンピドゥーセンターの地下で展示してあったポスターは限定10枚で印刷され、ちょっと一風変わった額縁にいれられ展示されている。いままで、フランス国内、東京、ロンドンで展示してきた彼らは、今後もデザインの世界にとどまらず、M/Mらしい作品を作っていくだろう。それが、後にパリのグラフィクデザインとして定着していくかもしれない。
(原文まま)
*掲載号では、誤字、脱字は校正し、編集したものを発行*
2008年2月29日号(vol.161)掲載
by tocotoco_ny | 2008-02-28 13:50 | ヴェルサイユの鯖
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