パリという言葉がつくと、どうしてか格式があがったように感じるのは、ボクだけだろうか。これはパリ、おフランスから来たものなのよ、オ・ホ・ホ、どうしてもそんな感じを受けてしまう。これは日本人が勝手に作ったフランスの雰囲気なのか、はたまた他の国でもこのように感じているのか。未だに、日本に帰り友人に会うと、全然パリっぽくないといわれるボクは、何がパリっぽいんだろうと、頭を傾げてしまう。だが、本人もパリっぽくないなと感じているので、具体的にはいえないが、パリっぽいというイメージは、少なくともボクの頭にも描かれているわけだ。フランス国内でも、パリというと違うところというイメージがあるようだ。パリジャンは、地方の人からは、高飛車なようにとらわれているし、実際、都会に見られるような冷たさはあると思う。ボクでも、少しパリを離れただけで感じるので、フランス人は尚更思うのだろう。話はズレてきたが、パリという言葉には、少なくとも高貴さが感じられるのだ。今回紹介するのは、パリで活躍しているグラフィックデザイナーのM/Mの展示会。ミカエルとマティアスの頭文字をとって1992年に結成したデザイナーユニット。ファッション系、シアターポスターを当初手がけていた彼らは、後々にビョークのアルバムデザインや、ミュージップクリップなども手がけ、世界的に有名になったデザイナーだ。得てして、世界的になったデザイナーというのは、やはり特徴がある。彼らの特徴の一つとしてあげられるのは、手書き風の文字をデザインしたものを、使った事だと思う。その字体が、いかにもM/Mらしい文字として定着した。このようなディレクションで、今までにシアターのポスターではなかったスタイルを築いたのはすばらしい。それと、ヨージ・ヤマモトのカタログをディレクションしたのも、彼らの初期の作品としては目を引くだろう。その後の活躍は、パレ・ド・トウキョウのエクスポのポスターや、アーティスト、ピエール・ユイグの展覧会ポスターなど、ヴィジュアルにこだわったポスターの構図はすばらしい。今回、ポンピドゥーセンターの地下で展示してあったポスターは限定10枚で印刷され、ちょっと一風変わった額縁にいれられ展示されている。いままで、フランス国内、東京、ロンドンで展示してきた彼らは、今後もデザインの世界にとどまらず、M/Mらしい作品を作っていくだろう。それが、後にパリのグラフィクデザインとして定着していくかもしれない。 (原文まま) *掲載号では、誤字、脱字は校正し、編集したものを発行* 2008年2月29日号(vol.161)掲載
by tocotoco_ny
| 2008-02-28 13:50
| ヴェルサイユの鯖
|
カテゴリ
全体 バックナンバー 2008年12月26日号 2008年11月号 2008年10月号 2008年9月号 2008年8月号 2008年7月号 2008年6月号 2008年5月号 2008年4月号 2008年3月号 2008年1、2月号 2007年1〜12月号 2006年1〜12月号 特集見開きページ toco流 SOUVENIR from NY tocoloco アンダードッグの徒 ニッポンからの手紙 ヴェルサイユの鯖 Kamakiri no ashi 人妻日記 ご無沙汰むかで オンナの舞台裏 THE untitled 2万円でどう? 無名の人々 ガイドブックにない島 ゴタムのうたげ キューバの歩き方/2006 定期購読のお知らせ tocotoco設置店リスト 編集部からのお知らせ 残念ながら廃刊しました!
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||