vol.73/アメリカナイズした動物たち(4)<むかでのすきっぷ>

米国から日本に渡来した動物<アメリカシロヒトリ>
f0055491_2482341.jpg アメリカシロヒトリという蛾は1945年、即ち第二次大戦当時、アメリカの軍事物資と一緒に日本に輸入されてしまったというのが通説である。この蛾の名前の『アメリカ』という部分は分かるのだが、何故『シロヒトリ』と言うのかな、と思ってむかでは少し調べたのだが、まず、この名前を漢字で書くと、『白火取』となるのだそうだ。それで、これってどういう意味かと言うと、『白』は蛾の羽の色の事で、『火取』とは、この蛾が灯火などに飛び込んで火を消してしまう行為の事なのよ、という事なんだそうである。なるほど、ボリショイ・サーカスの火の輪くぐりの虎と同様、火中に飛び込む勇気ある蛾だと言う事である。この蛾はご幼少のみぎりから桜やプラタナス、楓(かえで)の葉を食い荒し、成虫(蛾)になってからも同様に食欲旺盛なのだそうである。
 近年、この虫にやられてるのは日本だけでなく、お隣中国でも大変な問題となっているのをご存知だろうか。略1年前に北京で約700匹が確認されたこの蛾は、昨年1年間で実に2万匹にまで個体数が激増してしまっており、北京五輪を控える同市では街路樹が食い荒らされてしまい、各国からの来賓に対する街のイメージがダウンしてしまうと、国家林業局も頭を抱えておられるのである。ランプは消しちゃうわ、綺麗な樹木は食い荒らすわで、“食害あって一利無し”の御仁である。
米国から日本に渡来した動物<ミドリガメ>
f0055491_2485952.jpg 正式にはアカミミガメという種類の亀さんである。ミシシッピアカミミガメは、ペット用として世界中で繁殖を続けているらしい。ミドリガメといえば、昔小生が子供の頃、学校のガキ大将だった奴が、大学時代に近所のお祭りに行ってみると、お寺の境内の出店でミドリガメを売っていた事を懐かしく思い出すのである。その友人は何時の間にか、まくり上げた二の腕に刺青をしていた事も妙に記憶に残っている。ミドリガメも成長すれば30センチ位の大きさに育つらしいが、人間も又、成長すると人それぞれ、様々な職種に就いて変わって行くんだね、という事なのである。
米国から日本に渡来した動物<アメリカザリガニ>
f0055491_2494370.jpg お笑いコンビの『アメザリ』ではなく、ご本家の方のお話なのでご注意頂きたいのである。
(しかし便利なので以降呼び名は『アメザリ』を利用させて頂くのであるが)日本に輸入されたのは1927年で、最初は後述するウシガエルの餌として飼われ始めたらしいのである。出身地はアメリカはミシシッピ周辺である。このザリガニ君だが、鯉の場合とは正反対に、日本人はあまり好んで食さないが、アメリカ人にとっては食用であり、特にルイジアナあたりではご家庭の食卓の定番なのである。ルイジアナママの十八番はザリガニ料理である。♪あの娘はルイジアナママ 買って来たのはアメザリよ 両手はハサミで金魚食う ウシガエルが苦手なのー♪なんて鼻歌歌いながらキッチンで料理してるママの姿が眼に浮かぶのである。
 因みにこのアメザリを、先述の金魚と同居させると、次の日には金魚がアメザリを見限って必ず家出をしてしまうという不思議な現象を確認する事が出来るのである。きっとその原因はあの赤ら顔と目の下にある無数のそばかすが原因に違い無い。(本当は食べられちゃってる事はご想像の通りである。)
米国から日本に渡来した動物<ウシガエル>
f0055491_2502711.jpg さて、アメザリを食う天敵がこのウシガエルなのであるが、むかではこのもったりとした蛙が大鋏と固い甲羅で武装しているアメザリを食するとは俄かには信じ難いのである。
 なんだかイメージ的には、日本征服を企む悪党を追って、同じアメリカから正義の味方が来日して悪漢アメザリをやっつけるという感じなのであるが、そう言えばこれに似た話があったのである。シュワルツェネガー先生主演のあの映画、『ターミネ‐ター』である。先生演じる悪党(T‐800型アメザリ)を追って、未来の地球からタイム・スリップしてやって来る正義の味方が、ウシガエルだったりして、蒸気と共に現れるシーンで一発ゲコッと鳴いて頂ければ演出効果抜群である。これ、毎年恒例スーパーボゥルのコマーシャル・コンテストでバドワイザーがよく流してる宣伝よりもイケてるかも知れないな。(三匹の蛙が出て来て順番に『バド・ワイ・ザー』と鳴くコマーシャルをご存知の方も多いだろう。)
 このウシガエル、1918年、即ち第一次世界大戦終結の年に、当時の東京帝国大学の渡瀬庄三博士が食用としてルイジアナから輸入して来られたのがルーツである。アメザリの天敵のウシガエルも人間様にかかれば美味しい食材に早がわりなのであって、アメザリを好んで食べない日本人もウシガエルを食する事によって、間接的にアメザリも摂取出来る事になるのである。それはさながら、にんじん嫌いのお子様に、JTのおむれつを食べさせる事によって、にんじん摂取を成功させたお母さんの戦術にも通じるものがあり、超デライトなのである。
(原文まま)
*掲載号では、誤字、脱字は校正し、編集したものを発行*
2008年4月25日号(vol.165)掲載
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by tocotoco_ny | 2008-05-16 02:50 | ご無沙汰むかで
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