Latest 2008 Designer Collection
水泳ニッポンを揺るがした水着「レーザーレーサー」 速さの秘密は「軽さ」と「キツさ」 ■この春、イギリスのスピード社製の最新水着「レーザーレーサー(LZR RACER=LZR)」を着た各国のライバルたちが世界新記録を連発していた。「今季生まれた世界記録37個のうち35個がLZRによるものだ」との報道で「これはハイテクドーピングだ!」という声まであがった。北京五輪を目前に、日本の水泳界を揺るがしていた「日本水泳連盟と国内メーカーとの契約上の問題」が今月10日、ようやく決着がつき、各選手が自由に水着を選択できるようになった。 スポーツ界に押し寄せる「技術革新の波」は避けがたいモンなんだなと思い知らされる。グラスファイバーポールの普及で陸上棒高跳びの記録は飛躍的に伸び、ベースボールも反発力の強い金属バットの方が木製よりも長打が出やすいなど、選手たちの力量ではなく用具の性能差で勝負が決まる時代である。メダル争いで「コンマ何秒」に挑んで競っている選手たちにとっての「水着」とは——? 水着メーカーの競争が激化したのは2000年のシドニー五輪ごろからと言われる。極薄のナイロン製生地3枚を超音波でつなぎ合わせ、強い締め付け力で水抵抗の原因となる筋肉のムダな振動を抑え、水をはじく性質を高めたという「LZR」は、航空宇宙局(NASA)などとの共同開発による秘密兵器である。スピード社の日本のHPをみると、速さの秘密は「軽さ」と「キツさ」とある。もちろんメーカー側は、どこも企業秘密で技術革新における情報は明かさない。LZR着用によって相次ぐ驚異なる成果に、関係者からは「人工的に浮力を生じさせる機能があるのでは?」という疑いの声もあがった。が、「人工的な浮力を疑う科学的根拠はない」と国際水泳連盟(FINA)事務局長マルクレスク氏は騒動を一蹴している。ハイテクドーピングとまで呼ばれるに至った熾烈な技術開発競争の中「もはやネタ切れ」と嘆く技術者たちの声が聞こえてきそうだ。 ちなみに、この話題のスピード社製のLZRが、一般水着用として市場に出回るのは「S limited=エス・リミテッド」と名付けられたスタイリッシュなスイムスーツ。コム デ ギャルソンとのコラボレーションで生まれた「スピード・コム デ ギャルソン」 (写真上=女性用1万1445円)は、当分プールサイドで話題を集めそうだ。 人工的に作り出す「谷間」に一喜一憂するオトメ心 日米の違いは「寄せる」と「離す」? ■さて、この話題のLZR水着、一般素人には着こなせない(成果を知る由もない)シロモノらしい。まあ競技用とビーチやプールでチャプチャプ遊ぶ用水着は異なって当然ではある。人は死ぬまでに何着くらい水着を買うのだろう? 男女とも個人差はあるだろうが、多くて10〜15着…。少ない派はスクール水着以降、1枚も買ったことが無いという人もいるだろう。まあ買う年代も20〜30代がピークで、水着モデルやグラビアアイドル、サーファー、ヨットマン、プール監視員のバイトなど、必要に迫られて着用している人たちを除いては、人生で10着以下だろうと思う。 ビーチやプールサイドを華やかに彩るギャルズたちの水着姿—。中にはイケてない(勘弁して欲しい)娘もいるが、それでも世の男性陣からみて、水着っ娘というのは目の保養になるハズ。今回の特集は、その「女子の水着」について、ニッポンとアメリカの感覚の違いを特集した。 「胸の大きい娘は頭が弱い」などと陰口を叩かれていた30年前が嘘のよう。今や巨乳がもてはやされ、発育もいい所為かFカップを自慢する日本のギャルズもごく普通にいる。しかし、このFやE、Dカップ。正真正銘ホンモノかどうかは疑わしいところだ。日本でいうところのバストとは、左右の脇の贅肉を引き寄せて無理矢理カップの中心に納めようとする。それによってできた「谷間」を見て納得するのが主流だ。よって売り出されている水着も、そのオトメ心に忠実に応える開発がなされ、アンダーバストのフロント中央で、パチン!と隠れ留め金でしっかり抑え、その留め金が見えないよう前でリボン結びにするなど、可愛い工夫がなされるのがお約束だ(写真上)。 見せる、魅せる水着は断然ワンピースタイプ! 中身がポロリとこぼれる心配もマズない ■ビキニ(セパレートタイプ=ツーピース)派とワンピース派に好みは分かれるが、近年は3点セット、4点セットなるものも増えた。トップ、ボトムの他にスカートやパレオなどを選んで個別に購入するのが今風だろう。タンキニ(Tank-top bikini)と呼ばれるタンクトップ・ビキニ(露出度が少なく衣類に近い水着)も好評だ。されど、このビキニ。デザイン的には特に凝りようもなく、形が三角であったり丸形や四角だったり、隠す布地の面積が大きかったり小さかったり…と、さして流行に左右されない経済的な1着だと言える。しかし、流行柄を除いてデザインのトレンドはやはりある。トレンドセッターやカラダのラインに自信がある人は、こぞってワンピース派である。 見せる、魅せる水着はワンピース!ピタッとフィットするワンピースタイプは、ビキニよりも遥かに身体のラインが強調され敬遠する人も多いが、反面、昔の芸能人の水泳大会(懐かしの大磯ロングビーチ)ではないが、露出度が少ないため中身がポロリとこぼれる心配はまずない。それにしても日本の水着と欧米の水着。そのデザイン性は驚くほどの差がある。大人と子供の差とも言える感覚の違いをじっくりご覧あれ! (以下=アメリカで販売されている今年のイケテル水着を紹介。商品の購入は下記インフォメーション項目参照) <写真上段> ○Barbados/by Asha Couture 2008/$154.00 ○Barbarella/by Nina 2008/$185.00 ○Blue Lagoon/by SAHA 2008/$120.00 ○Diamante/by Aqua di Lara 2008/$175.00 ○Fashion Show Bikinis/by Beach Chic by Salinas 2007/$192.50 ○Pandora/by Aqua di Lara 2008/$325.00 <写真下段> ○Genie In A Bottle/by Beach Bunny 2008/Top $134.00、Bottom $134.00 ○Hanky Panky/by Beach Bunny 2008/Top $135.00、Bottom $134.00 ○llumination/by Becca 2008/Tankini $94.00、Bottom $60.00 ○Natural Tangerine/by SABZ 2008/Top $57.00、Bottom $57.00 ○Silverado/by L Space 2008/Top $68.00、Bottom $64.00 ○Solid Knots/by Aguaclara 2008/Tankini $44.00、Bottom $38.00 <写真上段> ○African Fusion/by Aguaclara 2008/$120.00 ○Ambrosia/by Aqua di Lara 2007/$265.00 ○Ambrosia/by Aqua di Lara 2007/$198.75 ○Basic New Touch/by Lenny 2008/$190.00 ○Floresta/by Poko Pano 2008/$102.00 ○Havana Club/by Aguaclara 2008/$90.00 <写真中段> ○Jungle/by SABZ 2008/$98.00 ○Love Kills Slowly/by Ed Hardy Swimwear 2008/$235.00 ○Lunatic/by OndadeMar 2008/$176.00 ○Metal/by TapWater 2008/$154.00 ○Methina/by Aqua di Lara 2007/$161.25 ○Nautica Beach Maillot/by SABZ 2007/$115.00 <写真下段> ○Pandora/by Aqua di Lara 2008/$350.00 ○Rocca/by Chio di Stefania D 2007/$232.50 ○Seychelles De Fluers/by Palmarosa 2008/$146.00 ○Solid Knots/by Aguaclara 2008/$98.00 ○Solid Knots/by Aguaclara 2008/$98.00 ○Stairway To Heaven/by Beach Bunny 2008/$419.00 トコトン騙す?乳首付きシリコンパッドが主流 透視盗撮ブロック・ショーツ着用の時代へ—— ■5年ほど前「ヌーブラ」なる粘着タイプのブラジャーが世に出回って、TVショッピングなどで騒がせていたが、今ではさっぱり話すら聴かない。寄せて上げて谷間をつくる水着のアイテムとして「パッド」はマスト商品だが、今や主流はシリコンである。人肌そっくりでプルプル感バツグンのシリコンが、自然で美しいバストラインをつくってくれるとあって、これらのシリコンパッドは飛ぶように売れているらしい。しかも、そのパッドの形態が少し変わってきた。 約20年前までは、ポチッと目立つ乳首を隠すグッズ(シールなど)が出回っていたが、今、売れている話題のシリコンは、その「乳首形状付き」(写真左=2万9800円、下=2500円)である。あえて自然さを装う(リアルに騙す?)ためか…、透けてる乳首にゾクッとしている男性陣!人工モノかそうでないかは、もはや水着の上からラッキーにも触れたりできたとて、その真偽のほどは分からないシロモノですから。またシリコンのほかにも、クリームパッドと呼ばれるクリーム状のジェルが入ったモノもある。 インフォメーション「水着特集の参考資料に使用したウエブサイト一覧」 ■ スピード社「LZR」の日本サイトwww.speedo.jp ■swimsale.comswimsale.com ■Swimwear Boutique.COMSwimwear Boutique.COM ■Sports IllustratedSI.COM ■ 三愛水着楽園www.san-ai.com ■ シリコンパット専門店tbfs.jp ■ パッド★ドットコムas-pads.com 2008年6月13日号(vol.168)掲載 Copyright © 2000-2008 S.Graphics all rights reserved.
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| 2008-06-13 02:31
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