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vol.09/「ダイエット成功にまつわる話」<秋野マジェンタ>

 私ごとで恐縮だが、13キロのダイエット成功にまつわるお話を、思い付くままに。
 返答に困るのが、「すごいねー。いつまで続けるの?なにを我慢してそんなに痩せたの?」というコメント。だって、デブをやめたいと決心し、脂肪を落とし、筋肉をつけて、リバウンドを避けて、自分のベスト体重を見つけてそれを維持する・・・という作業は、ライフワークなわけじゃん。厳密なところ、リバウンドを避けるということは、チャンスは一回しかないわけじゃん。一回でもリバウンドすると、次回から地獄みるわけじゃん。一回ですませたいわけじゃん。じゃ、なんでそんな一生つきあわなければならないようなテーマに無理な課題を盛り込むの?なんで私が自分に無理を強いて歯を食いしばって、がんばってると思うの?健康に留意する(今の課題はたまたま体重)ということは、別に修行ではないのだよ。自然な生活というか、まっとうな生活のことなのだよ。無理なわけないじゃん。食べたいもの、食べてますよ。食べ過ぎる日もありますよ。ただ、前より、満腹信号を敏感に察知して、これまた無理なく消費カロリーを、増やしてるだけです。だから、「意志が強いね」「あなたの前で甘いものとか食べても気にならない?」「どんなもの食べてんの?」「途中で投げ出したくならない?」「どうやったら、そんなに確実に痩せるの?」なんて言われても、困るんだよ。だって、むしろデブってる状態の方が、不自然なわけで、今のほうが本来有るべきというか、自然で「普通」の状態なんだからさあ。秘技なんてあるわけないじゃん。ボクサーの減量じゃないんだから、普通を心がけるだけで、体はしぼむのよ。
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 普通といや、痩せてイイ女にでもなったような気になる日がたまにあるが、「やっと人並み」なんだよな、よく考えると・・・ 特筆すべき変化といえば、仕事で初対面の男性と名詞交換なんかをした後、先方から先に「これを機によろしくお願いします」といったビジネスメールが来るようになった。これは、デブ時代にはなかった。(デブになる前はあった)相手だって、私とどうこうしようという下心があるわけではないので、自分が先にビジネスの挨拶メールを出しているという自覚なんかないだろうし、多くの男性は、自分達がデブに対しては反応がにぶいとも思っていないんだろうが、やはり動物の「優良種の繁殖・保存」の本能が、より見たくれの良い方へのモチベーションを駆り立てるんだろう。
 あと、これも種の保存方面に関係あるのかもしれないが、男性が、こちらにシモネタ振る頻度が増え、シモネタが最初に出るまでの時間が縮まった。もちろん、これも口説きを目的としたものではないので、男性側にしてみれば、やや親しみの増した世間話程度なのかもしれない。
 しかし、周りからの「扱われ方」に敏感なあたり、私もまだまだメンタリティーがデブのままである。
(原文まま)
*掲載号では校正、編集したものを発行*
2006年5月31日号(vol.123)掲載
by tocotoco_ny | 2006-05-29 12:16 | オンナの舞台裏
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