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vol.34/加齢年表<秋野マジェンタ>

■歳とったな、と思う瞬間
(1)親に「大人になったなあ」としみじみ言われて。小学生だったころ、成績表の5の数を増やし、せっせと欲しいものを入手していた。たしか3年生の頃は、自転車が欲しくて5を3つ。中学の頃は、CDプレーヤーのために、ガンバって5を5つ取った。あれは、小学生最後の冬休みを前にした終業式の日ではなかったろうか?その学期は、テストの点がほとんど80点台で、ぱっとしない数ヶ月だったので、良くて5が2つくらいと覚悟していたら、結果は、なんと4つ。スキーセットを獲得。本当にそんな自信がなかった私は、学期末が近づくにつれ、連日、「ああ〜〜〜、今学期は駄目だろ〜な〜」などとぼやいていたが、結果が予想以上、申告以上だったのを目にした父親は、私が「謙遜」という社交術を身につけたと勘違いしたらしく、感慨深い目で「おまえも大人になったなあ」。親ってバカだなと思うのが半分。自分は何か大きな区切りを体験したんだなというのが、半分。vol.34/加齢年表<秋野マジェンタ>_f0055491_1544956.jpg
(2)中学2年生。光ゲンジがミリオンヒットのアイドルとなる。最年少のメンバー、赤坂晃とは同い年。声変わり寸前の同い年中学生が何億も稼いでいる。彼は、若干14歳にして、日本の経済現象そのもの。年齢でだけ判断したら、私にもその資格というか、可能性は十分ある。そう思ったら、なんとなくぞっとして、ああ、自分は風俗・経済現象の中心にいてもおかしくないのだな。もう子供ではないんだな。そう思ったっけ。
(3)20歳くらいの時、初めて一時帰国した。日本で大学生やってる友人や、短大出て働いてる友人の中で、年上の既婚男性と不倫の関係にあるヤツがちらほら出て来た。おお、酸いも甘いも噛み分けたグレーゾーンの女が友人にいる。なんとまあ、妖しげなことか。自分もそんなオファーを受けるかもしれない。そんな年齢になったのだな。アダルトだな。おそろしや。
(4)その数年後、風の便りに、高校の同窓生が幼い女の子にいたずらをして捕まったと聞いた。一度も話したことのない男子だったが、私はそのB君を、自分が当時好きだったA君を少し不細工にした感じの人だな、と分類していたので、覚えていたのである。うわ〜〜〜。自分が社会の脅威になりうる年齢だとは。なんかやらかしたら、ムショにおつとめに行くんだよな。大人の世界だなあ。
(5)30歳くらいになって、初めて、地元の同級生で羽振りの良い誰々は、愛人を囲っているらしいという噂を聞いて、またまた、時の流れを感じる。
(6)高校生に「B面ってなんですか?」と聞かれ、唖然とする。そ、そうか。今日では、カップリングソングとかっつーんだわな。じゃあさ、よくシングルCDで、「ダブルA面シングル」ってあるけど、B面知らない世代は、A面は何の面だと思ってんだろ?何がAのつもりなんだろ?まったく今の若いモンは・・・
(7)自分は、けっこう正しい日本語を使えているんじゃないかと思っちゃったりした時。チョーさむいんですけど。
 そういえば、年齢や時の流れを感じる出来事に、初体験や結婚、出産がないなあ。もしかして、年齢とは、感じるのではなく、「周りに感じさせられる」ものなのか?だからか?自分のイベントが思い浮かばなかったのは。
(原文まま)
*掲載号では、誤字、脱字は校正し、編集したものを発行*
2007年7月13日号(vol.148)掲載
by tocotoco_ny | 2007-07-12 01:55 | オンナの舞台裏
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