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vol.40/ヤツらとの出会い②<秋野マジェンタ>

 私が今までバラバラに付き合って来た友人らが、夏の旅行に参加したことにより一堂に会したのが、嬉しくて嬉しくてたまらなかったので、記念にそのメンバー(=ヤツら)との出会いについて、書き留めようとしてるところ。
 学生時代、ルームメートMに、広島は因島(現:尾道市)出身のミュージシャンを2人紹介された。「あんたと合いそうなのがおるけん、ちいと来てみんちゃい。」とMに呼ばれ、いつもMがモカを買うカフェに出向いた。丁度、プロジェクト制作がノって来ていた午後3時頃、コーヒーを全く飲まない私にとって、集中しかけた作業を中断してまでコーヒー屋へ出向くのは、正直、大義だった。でも、なぜか出向いた。
 カフェに入ると、Mが入り口近くで、男2人とテーブルに座っていた。2人とも私と同年代。シンドーと紹介された方と私は、目が合った瞬間意気投合。鈍重でムラのある私と、軽妙で一定したシンドー。Mが「ほうじゃろ。言うたじゃろ。」と喜ぶ。「この子らねえ、ウチの妹がバイトしょーるライブハウス、ようけ使っとるらしんじゃわ。2週間位泊めてやってええかねえ。」vol.40/ヤツらとの出会い②<秋野マジェンタ>_f0055491_13343925.jpg
 それから丸々2週間、私とシンドー、そしてMともう一人は、まっぷたつの2対2。シンドーは「オレ、Mさんちょっと苦手」と言い、MはMで、もう一人の方だけ連れて消えてしまう。一人だけ言葉の違う私は、2人きりになると最初はギクシャクし、「あ、どーしよっか。はは。」シンドーは、観光ガイドを指して、「この、エンバカデロって、どんなとこなんかいね?」。で、2人でフラフラ坂を下って、「エンバカ」へ。
 当時、年齢にそぐわない威圧感のせいで、同年代の男からは敬遠されがちだった私に対し、シンドーは、小気味よいまでに、自然に飄々と振る舞った。そして、地元ではすでに有名で、キャーキャー言われていた(らしい)美形のシンドーを前に、「胆の据わりよる感じで、ぜんぜんキャピキャピ騒がんのじゃけ、こっちも落ち着けてええ。(=シンドー談)」感じな私。
 エンバカの噴水の内側に入り、2人してタバコを吸ったら、水の壁に閉じ込められた煙のせいで、げっっほげほになって、慌てて外へ飛び出した、あの夏休みから12年。
 シンドーと私は、細く長〜く続いている。2年ほどご無沙汰だったこともあったが、疎遠という感じはしなかった。Mと仲良しになった「もう一人」は、もともとお笑いが大好きで、デビュー後、なんと、私たちのかつてのクラスメートで、映像科卒業後、吉本の撮影に絡むようになった「ジャック」と偶然知り合い、私が帰国する度に、芸人を紹介してくるようになった。そんなこんなで、あの日の出会いは、「M発、Mと同郷のバンド経由、お笑い方面」という輪っかに…。
 シンドーは、ニューアルバムのリリースで、テレビやらラジオやらの仕事に追われるだろうからと、早いうちから、夏の旅行には不参加を宣言。でも、直前になって、「録画映像で数日つなげる」ことになり急遽参加。Mと「もう1人」が、来られなくなったのが残念。ほいじゃまたね、シンドー。

(原文まま)
*掲載号では、誤字、脱字は校正し、編集したものを発行*
2007年10月12日号(vol.154)掲載
by tocotoco_ny | 2007-10-09 13:35 | オンナの舞台裏
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